小説レビュー その他もろもろとか。

2014年1月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1155ページ
ナイス数:198ナイス

ハネムーン (中公文庫)ハネムーン (中公文庫)感想
物語を通じて独特な死生観を投げかけてくる。まなかと裕志のあまりにも脆い不思議な関係は特異ではあるけれど、あまりにも現実的な設定では読み手が持ち堪えられないのだろう。美しい死に引き込まれてしまいそうな感覚。オリーブの死であり、おじいさんの死であり、人間だけが死ぬ意味を考え、そして生きることの意味を考えることができる。決して明るくはない現実の海・・・その中で、人は出会うかもしれないほんの少しの優しさを想いながら泳いだり漂ってみたり。ただ、時間は後戻りはできないのだ。ぽつぽつと挟まれた挿絵が妙に問いかけてくる。
読了日:1月31日 著者:吉本ばなな


ゴーマニズム宣言SPECIAL 大東亜論 巨傑誕生篇ゴーマニズム宣言SPECIAL 大東亜論 巨傑誕生篇感想
幕末維新はよくドラマに取り上げられるので大雑把には知っているけど、その後に関して歴史の授業でも数回でサラッと流され詳しく知る機会がない。頭山満にしても来島恒喜にしても初めて効く名前という印象。クーデター側の人間としてあまり教科書では取り上げられないのかもしれない。このゴー宣シリーズは物事を多方面から捉え自分にない視点を与えてくれる・・・まーその良し悪しは別として貴重な知識がまた増えてしまった。今の時代こんな豪傑は生きられない。それは本当に時代のせいにしていいのかと考えさせられる。伝説というか夢物語のよう。
読了日:1月22日 著者:小林よしのり


架空OL日記 1 (小学館文庫)架空OL日記 1 (小学館文庫)感想
けっこう腹黒く毒舌である。憎めないかわいらしさもあり何気にオタクっぷりも発揮する。2006年からOLになりすまして更新し続けていたブログがまさか升野さんだとは誰も思わなかっただろう。まさにリアル。つまりは小峰様もマキちゃんもサエちゃんも、あぁタッチまでが架空の産物であったのかと驚愕し、真に残念でたまらないという複雑な気持ちでいっぱいなのである。1日1日がさしたることのない日常であって、でもその毒がじわじわ身体を巡ってゆき、中盤以降はもはや中毒症状に侵されている自分が・・・恐るべき妄想力バンザイなのである。
読了日:1月18日 著者:バカリズム


箱庭図書館 (集英社文庫)箱庭図書館 (集英社文庫)感想
読者投稿作をリメイクして六篇の連作短編に仕上げた企画小説。プロットは云わば素人作品だ。それを世に送り出せるレベルに引き上げるとは、手品師が種を明かしてなお騙されるようなプロの凄味すら感じてしまう。集められた『真っ白なご飯』はお茶漬けになったり炒飯になったり、巧みに味付けされて提供される。さらさらと食べるものも、ハフハフと口いっぱいに頬張るものも乙一さんらしい独特の甘辛さで美味しくいただける。とりわけ最終話は抜群なフリカケだろうか・・・わさびフリカケ。鼻の奥にツンとくるうまさに目尻にキラ星を浮かべてしまう。
読了日:1月14日 著者:乙一


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