小説レビュー その他もろもろとか。

2013年12月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:1011ページ
ナイス数:133ナイス

何度も読みたい広告コピー何度も読みたい広告コピー感想
一行のキャッチコピーにハッとさせられ、ボディコピーに吐息が洩れる。かくなるワタシもこのキャッチコピーの世界に魅入られた人間だが、その研ぎ澄まされた言葉の並びにウキウキしてしまう感覚は誰もが持ち得るものだろう。画であったり選び抜かれたフォントであったり、それはアートや芸術と称する人もいるけれど、ワタシ自身はもっと身近なひとつの作品として短いストーリーに感動してしまう。小説のタイトルをキャッチコピーとしてプロローグとエンディングを同時に凝縮したものがボディコピーだろうか・・・想像させる空間が実に心地よい一冊。
読了日:12月29日 著者:


夕映え天使 (新潮文庫)夕映え天使 (新潮文庫)感想
戦後、あるいは平成という時間軸であっても、読む者それぞれが感じる著者浅田の良き時代は平等に懐かしく郷愁を誘うものなのかもしれない。深く沁み、鼻にツンとくる珠玉の短篇が六篇。中盤『琥珀』は、以前別のオムニバス短篇集で購読済みだったが、改めて読み直してみても押し迫る感情の波にあっさりと飲み込まれてしまった。格段の切れ味なのである。伏線をスパッと切った切り口は美しく、余韻は読者の心で昇華させるという巧さに惚れこむ読者は多いはず・・・泣かせにきているとわかっていても敢えて心を委ねてしまう。そんな夜にお勧めの一冊。
読了日:12月16日 著者:浅田次郎


光待つ場所へ (講談社文庫)光待つ場所へ (講談社文庫)感想
構成の妙もある五篇のスピンオフ短篇集。辻村深月初期の登場人物たちをおぼろげに想い、懐かしさとともに巧いなと腑に沁みいる感覚に襲われる。『しあわせのこみち』における高慢チキぶりは作者の得意とするところだろうが、あやめと田辺の出会いからの一連の流れや『自分が天才だって気づいたの、いつ?』という決定的なカースト制度最上級トークなど、喜びと破滅の揺らぐ心理に涙が頬をつたってしまう。圧倒的な天才と相手を推し量れる自分の裁量に自信があるからこそ味わう挫折感・・・妬み僻みの葛藤など、この一篇だけでも十分満足できる一冊。
読了日:12月12日 著者:辻村深月

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