小説レビュー その他もろもろとか。

2012年9月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1382ページ
ナイス数:230ナイス

ジーン・ワルツ (新潮文庫)ジーン・ワルツ (新潮文庫)感想
代理母問題や不妊治療、少子化問題、果ては地方医療崩壊の危機までを訴える内容に、短いながらも生命の起源について深く考えさせられた。本作は、母子共に健康で正常な分娩がどれだけ大変なことなのかを説き、さらにはその神の領域に達してしまった人類の功罪でもあろう羊水検査問題にも触れている。ダウン症、あるいは奇形などの障害を知ってしまうことの恐怖は耐え難く、直後に待ち受ける二者選択・・・一人では生きられぬ子どもより先に我が死を迎える現実は避けられず、しかし確実に生命を宿しているという事実は、胸が張り裂けんばかりなのだ。
読了日:9月24日 著者:海堂 尊
ツナグ (新潮文庫)ツナグ (新潮文庫)感想
死者への愛情と生きる者への愛情が等しく描かれた、喪失と再生をツナグ切ない物語。たった一夜限りのつながりは、浄化は基より、逆に重い十字架を背負う結果になろうとも深い想いが伝わってくる。やはり生きる者は生きるための免罪符が必要なのだろうか・・・再会とは贖罪でもあるのだろうか。親友への歪んだ愛情に朽ち果てる話と、婚約者を待ち続けることに終止符を打つ話には、著者の放つ独特の光と闇が感じられる。行方不明の婚約者に会えるということは同時に永遠の別れを意味し、喪失するための道を選ぶという愛情が勝る結果に涙が止まらない。
読了日:9月15日 著者:辻村 深月
猫鳴り (双葉文庫)猫鳴り (双葉文庫)感想
動物と人間の距離感を描写した物語。三部仕立のどれもが人間のエゴを映し出している。ペットが家族以上の扱いを受ける近年、ペットロスといわれる心因性の病で鬱に陥る人たちがいる。寿命を考えれば必ず別れは訪れるもので、その覚悟に至る過程を丁寧に描写することによってペットの尊厳、生きとし生けるものすべての尊厳について訴えているように思える。それを著者は『自然』という言葉で表現していて、人の死を、自らの死を受け入れるという現実を猫の『モン』に准えている。藤治の覚悟するまでの揺れる描写は終末期医療の葛藤を感じてならない。
読了日:9月10日 著者:沼田 まほかる
宣伝会議 2012年 9/1号 [雑誌]宣伝会議 2012年 9/1号 [雑誌]感想
宣伝会議賞、今年も応募します。とりあえずキャッチコピー500本を目標に取り組みます。頑張るぞー!
読了日:9月7日 著者:
フリーター、家を買う。 (幻冬舎文庫)フリーター、家を買う。 (幻冬舎文庫)感想
変なプライドや見栄に左右されて大きく道を逸れてしまったり・・・『若気の至り』などと気付くのは、それこそだいぶ年齢を重ねてからなのだろう。それでも主人公の誠治が厳しい実社会での洗礼を受け、挫折し、失敗を繰り返しながらも成長する姿は、自らの人生を投影しやすく共感を覚える読者は多いのではなかろうか。絶対であるという父親の認めたくない弱い姿は弱い自分の裏返しでもあり、その気付きこそが大人の入り口なのだろうとワタシは思う。各場面のシチュエーションは有川ワールドお得意の身悶え感いっぱいだけれど、決して軽くはない一冊。
読了日:9月4日 著者:有川 浩

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2012.10.15 / Top↑
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