小説レビュー その他もろもろとか。

本の装丁に描かれるちょんまげと、青い浴衣に身を包む四人?
ビートルズの12枚目のアルバムジャケット、アビィ・ロードのパロディに何の意味が? 物語の設定が想像できない!
鴨川ホルモー アビイ・ロード もはや解説に頼るしかない・・・
解説を読むとさらにわからない。なんでも<ホルモー>という古来から伝わる競技を戦う京都の大学生を通して、若かりし青春を感じる物語らしい・・・何?
とにかく馬鹿馬鹿しい限りのストーリー展開を覚悟しろってことなのだ。
万城目さんといえば、最近『プリンセス・トヨトミ』が映画化されて話題になりましたが、そ、そうか!ありえない設定を得意とする作家さんであれば、ホルモーなるものも取りあえず信じて読んでいかなくてはならない。








陰陽道『陰陽五行説』を京都の地形に見立て、四条烏丸交差点を中心に北、東、西、南に位置する京都産業大、京都大、立命館大、龍谷大を、玄武、青竜、白虎、朱雀の四神として、神の使いである式神を操って戦う競技『ホルモー』を行なうのだ。


『何だ?この小さいおっさんは?』

『それが式神らしいよ』

『主人の命令に従って、相手を呪ったり、情報を伝えたり、主人を守ったり、変貌自在の動きをするらしい』

それにしても不細工である。式神を記した文献を観察すると、松明を掲げ、両膝をつき、陰陽師阿部晴明公の手前に控えるその顔は、いかにも妖怪めいたおっさん造り、背丈はおよそ大人の腰くらいまでしかないだろう。

『この式神である<鬼>は、まだみなさんには見えません。君たちは、この鬼の主人となるために鬼語を覚える必要があるのです』

『そんな・・・出鱈目な・・・じゃぁその鬼語にはどんな言葉があるんですか?』

『ぐああいっぎうえぇ!   これが<前へ進め>です』

『信じられない・・・じゃぁ<止まれ>を、先輩三人いっぺんに声を揃えてお願いします』

『ふぎゅいっぱぐぁ』
『ふぎゅいっぱぐぁ』
『ふぎゅいっぱぐぁ』

間抜けな三重奏が見事に座敷に響き渡っていた。






もう設定が普通じゃない(笑)
京都大学青竜会というサークルに先輩から誘われて入部・・・何故かこの『ホルモー』という戦いに身を染めなくてはならなくなった十名は意味がわからない。取りあえず一人の持ち駒(式神である鬼)は一人100体。一回の対戦は、1000鬼対1000鬼の戦いなのだ。持ち駒である鬼の数が闘いにより減少し、最後の一体が力尽きると、その采配をしていた者は

『ホルモオオオォォォーッッ』

と鼻の穴を惜しげもなくおっ広げ、破廉恥なまでに膨らませ、痴態の限りを尽くし声を枯らして叫ばなくてはならないのだ・・・例えそれが女子であっても。これはとんでもなく恥ずかしい行為だ。
京都市井で、この『ホルモオオオォォォッッ』の声を聞いたときは、一人の戦士が力尽きるときの断末魔の叫びと思って欲しい・・・と。

もうこんな展開だから何だか茶番劇見たいのを想像しちゃうけど、これがなかなか三国志を思わせるほどの策士がいたりして面白い。話はこの戦いだけでなく、この戦いの背景にある男女のシガラミや情を思わせたり、熱い友情なんかも表現したりしている。

これがデビュー作とはぶったまげますね! 本当おもしろい!
確かに馬鹿馬鹿しさ極まりない話なんだけど、ここまで真面目に取り組まれるとぐうの音もでない。
薄っぺらい伏線の回収なんかもあったりして(笑)いや、面白いよ・・・本当に。

とにかくこの『ホルモー』に関する設定を純粋に受け入れなくてはやっていけない。ここを受け入れられなければ逆に読んじゃいけないと思いますね。
大方の読者が同じような作風から『森見登見彦』さんと比べるのだけれど、万城目さんは、笑いのネタを明かしてくれる感じですね。森見さんは、あくまでパロディはパロディのままその体裁は崩さず走り抜ける感じ。確かに同じ関西、京都なんかを舞台にする辺りは同じ匂いなので比べられるのも仕方ないんですけどね。


本のキャッチはどんながいいかな?


古都の歴史は、現代の青春までも闊歩する。


大スペクタクル歴史ロマン青春ファンタジー小説です(笑)

鴨川ホルモー

鴨川ホルモー
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2011.09.16 / Top↑
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