小説レビュー その他もろもろとか。

世の中<地デジ>で混乱中?
2001年からデジタル放送移行を決めて早十年・・・今更TV買い替えとか、地デジチューナー探しとか、UHFアンテナ工事とか、そりゃ間に合うわけないじゃん!推定20万強の世帯が困ってるというけれど、そのうち自業自得な世帯はどんだけなんでしょーね?
どうせなら地デジ対応機器すべてをNHK契約を条件に販売すれば受信料未納がゼロになったのにねって思う。
なんでこの機会を有効に使わなかったのか、NHKトップの馬鹿さ加減にただ呆れてしまふよ。ふー

と、なんら関係のない時事ネタでしたが、本当は『ZOO1・2』を再読してみた読書感想なのだ。
著者の乙一さんは、最近ぱっとしなく(笑)多分2006年に『失はれる物語』を最後に映像世界に没頭していたのか今年の春『箱庭図書館』という実験的図書が出版されるまでマニア以外はお目にかかることがなかった。
ちなみにこの『箱庭図書館』は、乙一さんが、ウェブで実施した「オツイチ小説再生工場」という企画から産み出したユニークな連作短編集で、読者から送ってもらった小説のボツ原稿を乙一さんがリメーク!当然ながら元ネタは全てバラバラ。このバラバラな素材6編の小説をすべて「文善寺町」という架空の地方都市を舞台とし、登場人物を重ね合わせてゆくことで、一つの世界を造り上げてしまったという離れ業を魅せてくれている。
まーホント才能ですね。っていうかオタク(笑) 
 
箱庭図書館

箱庭図書館
再読した『ZOO1・2』も2006年に出版された晩年の文庫←晩年はひどいか(笑)ですね。
1と2で、おまけのショートショートを入れると11篇の短篇集。
1のほうが秀作ぞろい。2は少々笑いを取ろうとした『血液を探せ』や『落ちる飛行機の中で』なんていう作品があるので一般的評価は下がる傾向のよう。
人気は『SEVEN ROOMS』という黒乙一と『陽だまりの詩』という白乙一に集中する。(どちらもZOO1に収録)
二冊はもともと一冊の単行本だったので商業的何かがあったのかわからないけれど、意図的な・・・著者の思惑とはちょっと違う過程を経てこんなことになったんじゃないかと思いますけどね。

全体を通せばどれも極上の叙述トリックで、ミスリードの卓越した技を掻い潜りながら『やられたー』という著者の策略にやっぱり嵌り、そして黒い空気を浴びながら余韻を楽しむという感じでしょうか。




写真は描写である。一瞬の風景を枠の中に切り取る。これは俳句や詩に近い。文字と絵という違いはあるが、どちらもある重要な一瞬を抽出し、永遠にとどめようとする試みだ。
では写真を何十枚、何百枚と連なれば・・・前にある写真よりも一瞬だけ後に撮影したものを次に並べ、高速で切り替えればそこに時間が生まれることになる。例えば、最初は泣いていた子どもが、最後には笑った顔になっている。心の変化を見ることができるのだ。<一瞬>を重ねれば<時間>が生まれる。それは<変化>を生み出すことで、それが<映画>なのだと俺は思う。




小説に見立てているけど、ほぼ独白のような著者の映画観だと思う。
何かうまく言い表せないけど、すごく心に響く一節だったので要約して載せてみました。
小説本文は叙述トリックが多いためどれも掲載が難しいのよ。

まーこの乙一さんを勧めるのは苦労する。
ジャンルを説明できないからだ。
妙に心温まる作品と、グロい描写で恐怖一色で染めてみたり、読者を騙す一心で悪どい叙述トリックを駆使したり・・・ホラー・ミステリー・SF・ファンタジー・恋愛・・・すべて融合するわけでなく一つ一つの物語として存在するから難しいのだ。

本作に関しては、叙述トリックに挑戦したい読者にお勧めか?でも『陽だまりの詩』では泣きそうになる温かいはなしなので注意です(でも『陽だまりの詩』も叙述トリックが巧妙です)



本のキャッチは超ムズい・・・

読み始めから注意しろ。もう騙してるのだから。

おや?って思ったらもう騙されちゃってる証拠ですよ(笑)

ZOO1・2

ZOO1 ZOO2

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2011.07.23 / Top↑
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