小説レビュー その他もろもろとか。

『美味しんぼ』が話題になって、世の中風評だかなんだか騒がしい。
当時と今と多少の温度差はあれど、ブレない自分の気持ちの確認のため記録に残す。

『美味しんぼ』の内容はよくわからない。
原本(スピリッツ)も読んでなく、web上にでてくる断片的なところしかわからないんだけれど
『体がだるい、倦怠感』『鼻血がでる』などの描写が鮮烈で、福島県の復興を妨げるいわゆる
風評を助長するものではないか?というのが世間一般的なところだと思われる。一般人として
そんな情報を耳にするし出回ってるようだからね。

それに対して『それは風評被害だ』とか『漫画の影響力が分からないのか』とか
『ちゃんと取材したのか?』とか『医学的に証明されてないものを決めつけるな』など
そりゃすごい意見が飛び交っている。まあ擁護派もいるようではあるけれど。

5月19日現在で『美味しんぼ』の掲載は休載になり、あとは編集部の対応が問われるところ
だろうが、ただ、自分の意見・考え方としては海原雄山寄りで間違いない。
『今の福島に住むべきでない』は極端だけど、快く住めないのは事実だと思うから。

放射線とか放射能がどれくらいの影響があるかどうかなんてどうでもよくて、
それはあるかもしれないしないかもしれない。
だって医学的根拠は今のところはないってことのようだから。

ただ疑惑は残る。

絶対ないと言われても疑惑は残る。この後もずっと100年以上続くんじゃないかな?

海原雄山も『偽善は言えない、真実を・・・』とあるけれど、
人々の心の奥底に、

よくわからないけど、なんかあったらやだな


て気持ちは絶対ある。厳しい意見かもしれないけど絶対ある。

これは原発が一概に悪いとも言えないし、東京電力ばかりを責められないとも思う。
国に補償しろだのなんだのもまーしょうがないのかな。あの地震は予想できないのは
明らかだし、その心の拠り所を何かにぶつけたいのは人として必要な事であるとも思うし。

問題は、人の心は止められないってこと。

厳しく言えば、福島県の該当地区・・・もっと言えば福島県全土は放射能に侵された汚れた土地であるということ。
もちろん医学的根拠とか科学的でもなんでもない。けれどそう思われちゃってることに
歯止めはかからない。心の奥底で感じちゃってる・・・つまり風評よりかレッテルだね。
心の清い人ならば、
『そんなことない!私は福島産のお米や野菜をすすんで買ったりして復興を心より願ってる』
とかなんだろうけど、生まれたばかりの赤ちゃんを連れて原発ツアーに参加したり、離乳食として
福島産のホウレンソウをすりつぶして食べさせるだろうか?
何も気にせず食べさせてますというお母さんは少ないと思う。自分なら嫌だ。

もちろん福島県がだめになればいいとは思わないし、できることならなんとか盛り返したらなとも思っている。

何が言いたいかというと、風評被害(美味しんぼがそうだとは言い切れないが)も含めて福島県民はもっと自覚すべきだと思っている。残念ながら福島のイメージはマイナスだ。

もう何をするのでも放射能イメージがついて回るのだ。

福島県は今後他の県の何倍も努力しなければならない。

『美味しんぼ』に関しては、作家生命を賭してまで描かなければという責任感が感じられる。
社会への影響力も十分考えての掲載だったであろうそれは評価できるし、それによりこうやって考える機会を与えてもらった素晴らしい漫画と思う。
ただ、これに影響を受けて福島やだなという根拠の薄い嫌悪感を抱く人もいるだろうし、原発反対とか放射能どうにかしろだの妙な団体も活気づくかもしれない。
それも含めて福島県は対応を迫られるわけで、そんなことにいちいち正々堂々と振る舞っていては復興などいつになるかわからない。まあ嘘つくわけにもいかないけど。

【解決策】

絶対実現しないとは思うけど、お金うんぬんは抜きに考えて福島県は小さくすべきだと思う。
原発50キロ圏内は国が買い取りして関係者以外立ち入り禁止にしたらいい。
みんな土地を捨てる覚悟をすべき。また戻るなんて考えちゃいけないんだ。





おわりに

広島や長崎だって原爆落とされて放射能に汚染された土地だけど、今は立派になっている。
原爆ドームなんてその中心地、福島で例えれば原発1号機~4号機であって、いつの日か観光地に
なるかもしれない。


人の想像できる未来は、いつか現実になるのだから。









2014.05.19 / Top↑
2014年4月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:935ページ
ナイス数:316ナイス

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