小説レビュー その他もろもろとか。

2014年2月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1579ページ
ナイス数:324ナイス

新参者 (講談社文庫)新参者 (講談社文庫)感想
一章から八章までそれぞれ独立した短篇謎解きに仕上げられ、尚且つ縦横無尽に張り巡らされた伏線を最終章で美しくまとめあげる筆力に舌を巻く。ただ計算されているとはいえ実に心地よく温かみのある展開に、読者は人間愛を感じずにはいられないだろう。今回の事件には幸せな嘘がいくつも交錯し、愛するものを守るという強い想いが捜査を難航させている・・・加賀を除いては。生きてゆくうえで嘘をつくことは誰しもあるだろう。その嘘を幸せに導けるかどうかは、相手を思いやる優しさと想いではなかろうか。見守る加賀の人間力が際立った一冊に満足。
読了日:2月24日 著者:東野圭吾

感染遊戯 (光文社文庫)感染遊戯 (光文社文庫)感想
小説として究極の想像なはずなのに、ネット上での誹謗中傷やクレームでの吊し上げなど間違いなくこの物語に直結すると感じてしまう。官僚や政治家も性善説で考えれば最初から悪意に満ちているわけではないと思うけれど、腐敗して堕ちてゆく官僚たちに対して絶つという感情に共振してしまう自分が少し怖い。ガンテツや倉田、葉山、そして姫川の心に棲みつく狂気。善意に満ちた悪意というか正義のための悪事というか、登場人物を通してその危ういバランスを巧妙に突いてくる今回の事件は危険な未来を暗示しているとしか思えない。正義って、何だろう?
読了日:2月21日 著者:誉田哲也

マリアビートル (角川文庫)マリアビートル (角川文庫)感想
心理戦、クローズドサークル的な新幹線車内での駆け引き、『なぜ人を殺してはいけないのか』という哲学など重くなりがちなストーリーを、洒落の効いたトークとドタバタ劇で爽快な物語に仕上がっているという不思議な一冊。前作の余韻を含みながらもこれはこれ単独で十分面白い。悪の主役(全員悪役なのだが)である王子慧とは現代社会の闇であり汚物である。ただ誰もが理性で押さえつけている深層心理でもあると思う。攻撃的な自分と重なる描写などハッとする読者はいなかっただろうか?レディービートルと云うタイトルに何故か希望を感じてしまう。
読了日:2月12日 著者:伊坂幸太郎

体は全部知っている (文春文庫)体は全部知っている (文春文庫)感想
変化する時間の押し寄せる感覚と雰囲気を読ませる13の短篇。吉本さんの感性が赴くまま様々な心の移ろう情景を描き出している。その零れおちる言葉ひとつひとつは微かに胸をざわつかせそれでいてすっと奥のほうへ沁みこんで解けてゆくような味わい。『小さな魚』の得も云われぬ喪失感や『黒いあげは』でのご褒美と気づく時間、『明るい夕方』での馳せる想いなど、普段誰にみせることのない”ココロのささくれ”を優しく癒してくれる。美しい瞬間を手に入れるために時間は流れてゆく。生きてゆくことに意味を持たせるなんてナンセンスということか。
読了日:2月7日 著者:吉本ばなな

宣伝会議 2014年 03月号 [雑誌]宣伝会議 2014年 03月号 [雑誌]感想
3本だけど一次審査通過した。天体望遠鏡のコピーが通過したのが嬉しい!
読了日:2月3日 著者:


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