小説レビュー その他もろもろとか。

2013年7月の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:521ページ
ナイス数:89ナイス

パーク・ライフ (文春文庫)パーク・ライフ (文春文庫)感想
人間らしさを遠巻きに描写してゆくなか、日常を思わせる非日常な世界を著者は投げ掛ける。スタイリッシュ、あるいは都会的で洗練された生き方を淡々と綴り、それでいてどこか孤独な男と女・・・それは気球から日比谷公園を眺めるという映像であり、日常を俯瞰した都会の人間関係ということだろう。公園を舞台に偶然が行き交うという日々の中、遠くから見ているうちはただの物体であるが、言葉で繋がることにより思考が実体を生んでゆく。言葉を交わす名も知らぬ男女に接点が芽生え、ただそこには男の下心があり、女は上の空を装うのか。余韻が憎い。
読了日:7月15日 著者:吉田 修一
不安な童話 (新潮文庫)不安な童話 (新潮文庫)感想
恩田作品にしては期待はずれ。もちろん<見える>という不思議な能力や<輪廻転生>を絡めてくるあたりは著者の得意なところではあるのだろうけど、切れ味という点おいて少々安易に物語を閉じているのではなかろうか。古い作品なので、執筆当時伏線は回収してしっかり終わるという課題が担当者から出たのかもしれない。どちらにしても、すべてどっちつかずな中途半端感があり、ミステリーなのかサスペンスなのか、ファンタジックな要素もありながら平均点な印象。こういうルーツを知ることも著者の幅を知ることに繋がるので、満足はしているけれど。
読了日:7月1日 著者:恩田 陸

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2013.08.08 / Top↑