小説レビュー その他もろもろとか。

2013年1月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2160ページ
ナイス数:183ナイス

暗黒童話 (集英社文庫)暗黒童話 (集英社文庫)
読了日:1月24日 著者:乙一
夏と花火と私の死体 (集英社文庫)夏と花火と私の死体 (集英社文庫)感想
ひたひたと迫る緊張の連続は、140頁足らずの短篇にて切れ味抜群!一人称で語られる視点の奇抜さが独特の雰囲気を醸しだして物語を進行させてゆくのだ。まだ小学生の兄妹では思慮が浅く、それは純粋でありながら裏を返せば至極の残虐行為であり、子ども故の暴君という特殊なホラー感を漂わせる表題作。もう一話の『優子』では、人形を使った静かな恐怖を演出し、物語をあえて閉じない狂気で読者を貶めてゆく。どちらも背筋が寒くなるゾクリとした読後感があり、第三者の目で物陰からこっそりと覗かれているような恐怖に後ろを振り返ってしまった。
読了日:1月22日 著者:乙一
少女七竈と七人の可愛そうな大人 (角川文庫)少女七竈と七人の可愛そうな大人 (角川文庫)
読了日:1月13日 著者:桜庭 一樹
カラット探偵事務所の事件簿 1 (PHP文芸文庫)カラット探偵事務所の事件簿 1 (PHP文芸文庫)感想
バカバカしくも凝りに凝ったなぞなぞなお話たち。そのこだわりは自らネタばらししなくちゃ読者にわからないほどだったり(笑)して解説を読んで気付かされる部分も多々あるほど。File20でのネタばらしは『そりゃずるいでしょ』な感じだけれど、この著者なら仕方ないかと笑い飛ばせるミスリードでつい読み返したくなる仕掛けである。それにしても暗号解読然り、トリックのタネ明かし然り、非現実的である安心感からか複雑極まりない仕掛けであったとしても、感心しながら存分に楽しめるという極上謎解きに賞賛。どこぞの探偵執事よりも面白い。
読了日:1月12日 著者:乾 くるみ
リピート (文春文庫)リピート (文春文庫)感想
ワタシなら・・・誰しも毎日が『こうすれば・・ああしとけば・・』と後悔の日々であって、やり直したいことはごまんとあるはずだ。ただ競馬で一儲けとか楽しみな時間はあるだろうけど、それも常態化してしまえばどこかにゲーム性を求めてしまうのは人間の性なのだろう。選ばれた人たちが『リピート』というゲームに興じる最中、次々と仲間に謎の死が訪れる。そのたび疑心暗鬼に晒されるという不穏な流れに、もはやめくる頁が止まらない。もう一度リピートできる時間まで逃げ延びたいというハラハラ感に、悪意は自分の中にも潜んでいるなと自覚した。
読了日:1月11日 著者:乾 くるみ
殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫)殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫)感想
人間の精神は絶妙なバランスで構成されていて、強い信念は脆い精神の裏返しでもあるのだろう。カルト教団や占い師による洗脳騒動や、養子縁組など巧みに先導して縁故関係を結んだ挙句の保険金殺人など例を挙げればきりがない。理性の箍が外れるのは酔狂ばかりでなく、理詰めの先にも見え隠れしているのだ。藤子が呟く『バレなきゃ"悪いこと"じゃない』というフレーズが何度もリフレインされ心が惑わされのは、読者の100%がバレていない悪いことの記憶を持っているはずだからだ。ワタシだって誰もいない交差点で赤信号を渡ったことくらいある。
読了日:1月10日 著者:真梨幸子

読書メーター
2013.02.12 / Top↑