fc2ブログ

小説レビュー その他もろもろとか。

『それでも、生きてゆく』っていうドラマを観てますが、この被害者家族と加害者家族の問題は様々な捉え方や考え方ができて、毎回悶々とした時間を過ごしています。

『加害者家族のあなたと、被害者家族のわたしと、同じ列車に乗っている・・・行き着く先を考えなければならない』

確かこんなような台詞だったと思う。
憎しみや悲しみを糧に生き抜こうとする方法や、何もかも忘れて生きる術を探したり、一切を闇に封印して強い意志で隠し通す生き方や・・・ボロボロになりながら泣き寝入りする家族がやはり多いのか・・・

東野圭吾著作の『手紙』では、被害者家族に届く加害者からの反省文が煩わしいと、負担だという苦悩が描かれていた。同時に加害者の弟の元へ送られていた手紙も、弟にとっては忌々しいだけであったのだ。加害者家族への世間の冷たい風は想像を絶し、優しかった兄、自分のために犯行に及んだ兄との決別を期に一生を隠し通す決意を胸秘める。また同作者の『さまよう刃』では被害者の父親が加害者を追い詰めていく・・・法律では裁けない悪意の制裁を自らの手で行なうというのだ。

渦巻く感情は様々な結末を想起させるのだけれど、すべてが一生を引き摺る傷であることに間違いない。悪意の有無に関係なく、人が死んでしまう・・・あるいは障害が残るなど人生の破綻を招く結果は、どんなに修繕修復を試みても傷は残る。表面はきれいに隠されても修復歴は必ず記憶として甦るのだ。

悲しい現実。現実は事件の背景とは無関係に事実にのみ・・・結果にのみ判断を下す。
被害者家族も、加害者家族も、生き残った被害者も加害者も、一生傷を負ったまま生き方を模索するしかないのだ。どんなに辛い現実に出会おうとも・・・あぁ、それでも、生きてゆくのか。

それでも、生きてゆく

それにしても、この手の本格ヒューマンドラマはTBSの定番ではなかったか?
何故フジTV?
チャンネルを意識してなかったからびっくりしたけど、第5話くらいまでTBSだと思ってた(笑)
『ドラマのTBS』がこれじゃ形無しだよ。
こーいったヒューマンドラマは視聴率が取りづらく、製作者側は難しい判断が要求されるのかもしれない・・・特に思いテーマであれば役者さんのキャスティングでもベテラン起用が多くなって制作費の問題も絡んでくるだろう。良いドラマを作りたい・・・でもスポンサーが足りず制作費が稼げない・・・など。
まー視聴者からみたら、こーゆうのもっと観たいけどな。
クイズ番組やアイドルはっちゃけのドラマ、お笑い番組・・・もっとターゲットを絞った大人しか分らないドラマが観たいぞー!

小田和正さんの挿入歌もすばらしい!



来週の最終回が待ち遠しいですね。

2011.09.11 / Top↑