小説レビュー その他もろもろとか。

あんまり目立っちゃいけないのかな?

確かニュースで見た記憶がある・・・「ドラえもん最終話」である。
ニュースを見たときは、ひどいことをする人がいるなーと軽く思っていた。やっぱりドラえもんは永遠でなくてはいけない!なんて思っていた。

ただ、実際にその内容を見てしまった今・・・微妙な心持ちだ。素人が考えたにしてはいい話なのである。




ある日突然ドラえもんが動かなくなってしまった。
未来の世界からドラミを呼んで原因を調べたところ、バッテリー切れが原因だと分かった。

しかし、旧式のネコ型ロボット(ドラえもん)のバックアップ用記憶メモリーは耳に内蔵されており、ドラえもんは耳を失っていたため、バッテリーを交換してしまえば、のび太と過ごした日々を完全に忘却(リセット、すなわち消去)されてしまうことが分かった。

バックアップを取ろうにも方法が分からず、開発者を呼ぼうとするも設計開発者の情報は訳あって絶対に開示されない超重要機密事項となっていた




まーこんな感じ。

これ以外にもドラえもん最終話は多数存在するんだけど、多分これが一番いい話。他のドラえもんの感動話と比較しても遜色ない出来である。泣きそうだ。オリジナルといっても納得するかもしれない。
そんなすばらしい内容だっただけに2007年当時売れてしまったのだ。っていうか売ってしまったプロの漫画家さんがいる。このニュースが話題になった当時「この人はドラえもんを冒涜してサイテーだ!」っとか思ったけど、いざ実際自分で見てみると、プロの漫画家として作品にしたい・・・見てもらいたいっていう気持ちがわからなくもない。それくらいいい話なのだ

ただ、当然の如くこの同人誌?は検閲され(っていうか小学館に訴えられて)巷から姿を消してしまった。動画もYOU TUBE版は、著作権上の理由で小学館の要請により削除されている。
ところがこれを別バージョンとして密かにUPしてくれている人がいる。まだ見つかっていないのだろう。

リンク付けちゃうので見たい人は急いで見てください。


↑↑削除されても再アップされるんですね!超イタチごっこだ(笑)

ドラえもん最終話(原画)
ドラえもん最終話(同人誌)
2011.05.31 / Top↑
この人は、どーして普通の話を普通じゃなく語れるんだろう(笑)

婚約のご挨拶を前にして男に逃げられる。その後間もなく会社が倒産・・・冷静に見れば普通じゃない状況だけれど、悪いことって結構重なるからありえなくないなーなんて思わせるところが独特の筆力なんだろうなー。こーゆう状況をさらっと流しつつも、何故か現実に溺れる女子を淡々と描く朝倉節は今日も健在だ。




「即戦力が欲しいのよ」

高校、短大で同窓だった真柴多香美から鳩子に電話があった。地区図書館で嘱託職員として働く真柴の職場で、ひとり病に伏したものがいるという。退院の目途がつかないので臨時職員が必要なのだ。

「手取り十万ちょっとだけどいい」


と自嘲気味にくぐもって笑う真柴がいる。さらに、

「臨職にだって嘱託のチャンスはあるわ」

と真柴は続ける。あぁ・・・と鳩子は思い出していた。

真柴は下手だった。昔、彼女のファッションはさまになっていなかった。やってるなということはわかる。ただ、それが鳩子のヘアピンと色違いであったりする。どこで買ったのとは訊かれなかったから自力で探したんだろう。「おそろいね」っていったら「あらほんと」と初めて気付いたような顔をする。
テストの点も鳩子のほうが良かった。勉強は鳩子よりもしていたのに。



「何しろ真柴さんの紹介ですから」


採用が決まったのは面接のあと三日後であった。

鳩子はエプロンとマグカップを買っている。
図書館での服装は黒か灰色のタートルにグレンチェックの膝丈スカートを合わせるつもりだ。優等生風の装いを基本に、真っ赤な無地のエプロンをかけたらシックに決まる。化粧は軽くして、でもアイラインはきちんと入れたい。利用者に何か訊かれたら、低い声で要点だけを簡潔に私は答えるのだ。

(図書館に勤めるのほんとうに初めてなの?)(鳩子に声をかけて正解だったわ)

同僚から、真柴から、賞賛されるのを鳩子は勘定に入れていた。だから鳩子は、お茶目なマグカップで「抜け」を作ろうとしているのだ。
熟考のすえ、象のエルマーのマグカップを選んだ鳩子だった・・・




女の確執というかなんていうか、もんのすごい描写力だと思う。
これみよがしに見下そうとする女と、なめてかかる女。見下そうとする女を「あらその程度」と深々と妄想にふけるさまなどどちらも「厭なオンナ」である。

ただ、どうだろう。
どこかでおんなじことをしていないだろうか?似たようなことをしてないだろうか?
普通の中に潜む悪意をさらっと表に出されると、苦々しく笑うしかないのである。厭なオンナなはずなのに、少しずつ共感してしまうのは何とも不思議な魅力である。
そう、この著者の特筆すべきところは伏線がないのである。日常に起こる様々な事象を虫メガネで大写しにしながら実況し、主人公の些末な事柄を発見してはいちいちこねくり回してほっぽりだす。それでいてほっぽりだした姿をまた観察したりするのだ。

朝倉かすみを読んで、心震えるとか、感動するとかは似合わない。であれど、極上の時間でもてなされるからたまらない。病み付きという言葉がぴったりくる。そーゆうタイプだ。

では、この本の帯なら

大人になると、女は美味くなる。

美味く、巧く、上手く・・・オンナって、おんなって。

そんなはずない

そんなはずない
2011.05.30 / Top↑
180ページほどの作品。それなのにこの心の揺れは何だろう。

最初はBOOKOFFで105円だったし、この作家さんは今まで読んだことが無かったからとか、単純な理由で手に取ったのだ。しかも登場人物の名前が「海野藻屑」うみのもくず・・・こーゆうのってあんま好きじゃない!って思ったりもした。

マイナスイメージで出発したから反動が大きいのか何なのか、結構な衝撃度合いである。
青春小説なんかにうつつを抜かしてたからかも知れない。
それにしても・・・である。

分類上は青春ミステリーらしい。
確かにミステリーな部分も極僅かに感じられる。けれども、社会性を風刺した部分も感じられて「青春」とか
そんな甘い括りでは捉えられない13歳の機微がこの本の中に感じられる。
凝縮した時間に起こりうる奇蹟を巧みに描写した行間に、儚さと脆さと、何故か懐かしさの感情が綯い交ぜとなって、ワタシはまだ揺れている。




十月四日の新聞記事

鳥取県境港市蜷山中腹でバラバラ死体が発見される。被害者は海野藻屑(13)昨晩から行方不明で、同じ中学に通うAさんによる通報で遺体が発見された。警察当局では現在遺体発見の経緯とともに事件に関し調査中である。


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転校生「海野藻屑」があたしのクラスに転入したのは九月の三日、四日くらいだった。その透き通るような青と、繊細な美貌がただならぬ雰囲気を漂わす。そして自己紹介。クラス中は眉をひそめる事になる。彼女の発する言葉は常軌を逸していた。

「ぼく、ぼくはですね、人魚なんです」

「ぼくがここにきたのは人間界が知りたいからなんです。人間は愚かでお調子者で、寿命も短い馬鹿みたいな生き物と波の噂に聞きました」

「どんなに人間が愚かか教えてください。ぺこり」


へんな擬音までつけて頭を下げる。

興味があった人が休み時間に声を掛けるが、その返答は要領を得ない。その日の放課後には誰一人近づくものはいなくなった・・・




小説の冒頭で主人公の結末をみせている。ミステリーでいう倒叙法だが、こーゆうのはありなんだろうか?
読み始めで結末がわかるので、そこからは死へのカウントダウンを読み進めることになる。
もう一人の主人公「あたし」がこの意味深な藻屑と対峙していくのだ。

ひきこもり、幼児虐待など世相を反映した内容は暗く重い。そうしてどの問題にも解決の糸口は無い。そんな置かれた環境の中でもがき苦しむ中学生を描写し、結末は死が待っている。

それなのに不思議と重い読後感ではない。心は激しく揺れているにも関わらずにだ。
解説には魂の浄化と表現されていたが、それほどの宗教色は感じない。ただ中学生という青春にもまだ届かない僅かな期間の透明感だったり純粋さだったりが漂い、染まってしまった大人の心に問いかけていることはわかる。
これは悲劇であり鎮魂歌なのだろう。


突然ですが、答えられたらヤバイクイズです。
あるところに夫婦がいて、夫が突然死んでしまいます。病気か事故とかで。夫婦には子供が一人いました。
夫のお葬式の日に参列した同僚の男の人と妻は出会います。同僚の男の人に惹かれた妻はいい雰囲気になりました。
その晩妻は自分の子供を殺してしまいました。
何故、妻は自分の子供を殺してしまったんでしょう?
※青少年の異常犯罪者の精神鑑定の質問


何とも云えない読後感の中、本の帯を考えるとすれば、

魂は、生きるために汚れていく。

ワタシの中ではこんな感じ・・・それぞれの想いはきっと違って欲しい。

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 

ヤバイクイズの解答は続きで・・・
2011.05.28 / Top↑