小説レビュー その他もろもろとか。

これは映画のCM観てるときから気になってた作品なのだ。

ヒアアフター=来世

心霊現象とかのオカルト映画では決してない。

主人公ジョージ(マットデイモン)は"本物"のチカラを持った霊能力者。
彼はその能力のお陰で人生が狂ってしまった云わば被害者でもある。見えてしまう・・・知ってしまうということがどのような結末を迎えるか、今までの人生で苦しいほどわかってしまった。
彼は今までの自分をリセットするために料理学校に通ったりするが、結局うまくいかない。
自分の気持ちを心から理解してもらえる人はこの世にはいないのか?
傷心の彼はすべてを捨ててロンドンに旅立つ。

時を同じくして売れっ子ニュースキャスターのマリー(セシルドフランス)は洪水という自然災害に巻き込まれ、生死を彷徨う。その時の不思議な体験が尾を引き休職に追い込まれる。彼女は体験した不思議な出来事を本として出版するため単身ロンドンへ。

不慮の事故で双子の兄を亡くした弟マーカス(ジョージマクラレン)は何とかして兄にもう一度会おうと霊能力者を探す日々。偽者にしか出会えないマーカス・・・しかし偶然にもロンドンブックフェアの会場でジョージの姿を見つけることになる。

アメリカ人のジョージ、フランス人のマリー、イギリス人のマーカス。
出会うはずのなかった三人を引き寄せた不思議な力・・・お互いを探し求めていたのか。
そしていよいよ三人は同じ街で交錯することに。

実際、知らない人の過去に隠された死にまつわる出来事が見えてしまったら、精神破綻を来たしてしまうかもしれない。当然良い事ばかりがみえるのではなく知られてはいけない過去、出来事まですべて見えてしまうと思うからだ。
見えてしまう人は、よい部分だけを上手く繋ぎ合わせて相手に伝える努力をするだろう。すごいストレスとしか言いようがない。自分で他人の秘密を抱え込むことなんて普通の精神状態でできるはずないんだ。

知り合いに霊がみえる友達がいる。
ウソか本当かわからない。友達なので信用はしているが。
彼が言うには、霊が見えるわけでなく霊の存在を感じることができるということで、視覚ではなくイメージがわかるという抽象的なものだそうだ。
人の多いところでは自然に感じてしまうらしい。自分の存在をなるべく消していないとそのイメージが寄って来るらしいのだ。なので彼はデパートや人ごみを極端に嫌う。どこまで本当かわからないが、彼が人付き合いが悪いだけではないことを友人たちは皆証言する。上手く社会生活は出来るようだが、彼が霊に関してあまりしゃべらないのは、本物ゆえの苦悩があるんだろーなーと思う。←けっこう信じてる。

映画はやっぱり、マーカス少年に話しかけるジョージと交信する兄という映像で涙涙だ。
わかってても子どもを使うのはズルイ!ズルイぞクリントイーストウッド監督(なんと80歳)
何かを感じさせるエンディングもなかなか心打たれる演出だった。重くない感じもいい。
 
で、ワタシが考える副題は

独りではない。深く感じる想いは、世界を超えて君に届くから。

丹波さんは今ごろ大霊界で何を感じてるのだろう。
ヒア アフター(オフィシャルサイト)
ヒア アフター(ポスター)
2011.02.25 / Top↑
重い読書と映画が続いたので、今日は軽く。

ガーディアン=守護者
日本でいう守護霊と考えてよいと思う。


このガーディアンという設定の下でこの小説は始まる。
主人公「勅使河原 冴」通称てっしー。
幼い頃に亡くした父親が彼女のガーディアンだ。
ガーディアンは彼女を守る。
そう、彼女の身に危険が迫ったときにガーディアンの力は発揮されるのだ。
例えばボールがぶつかりそうになったときには、ボールの軌道がそれたりとかそういうことである。
小さい頃はよかった。
適当に誤魔化すことで大事になることはなかった。子供であれば深く考えることはない。
しかし年を重ね大人になったとき、このガーディアンの存在を大人たちが知ってしまったらどう対応するのだろう。
ガーディアンは悪意を持ったものに対し、その何倍もの力で報復をするのだ。
冴にガーディアンの発動は止められない。冴の意識とは関係なくその力が発揮されることで、同僚の死亡事故が発生。この事件をきっかけに冴はガーディアンと自分の関係を見つめ直す。
そんな話。

ガーディアンという架空の設定に対しミステリーとしての面白みを加味しようと石持さんは意欲的だ。
多少強引なのはもーどーでもいい(笑)こーゆうSF的要素を含んだ物語が大好きなのだ。

2章「栗原円編」では主人公が冴の娘「円」に代わる。内容を超要約するといろいろあって、ガーディアンの力は円に引き継がれるという設定だ。
こっちは更に拡大解釈した内容となり(基本ガーディアンの発動パターンは変わらない)銀行強盗に巻き込まれた円と奈々子。緊迫した中、ガーディアンの力によって強盗犯から親友奈々子を守るという展開に息を飲む。
円を狙って撃った銃弾はどうなるのか?円を殺そうと手を下す人はガーディアンからどのような制裁が加えられるのか?ガーディアンは悪意をもったものに対し何倍もの報復を下すのだ。

深夜ドラマとかでやったら人気でそうなこの話、映像化したら面白いのにな。
 そこでこの本の副題をひとつ・・・

ガーディアン。それは私を守る神であり、悪魔でもある。

SFっぽいのもたまにいいなぁ。
ガーディアン
ガーディアン
2011.02.24 / Top↑
原作を読んだからには、やっぱり気になってしょうがないのである。
で、いそいそと劇場へと足を運んだのだった。

今回は新都心COCOONのMOVIXさいたまへ。
25日で公開終了なんだけど客席は8割埋まっている。平日のお昼なのにだ。
しかも学生がいるわけじゃない。多分半分はお年寄り、25%は中高年の主婦、残りが30代のカップルというかんじだろうか。
確かに白夜行は東野作品の中でも重い部類で、学生が観る感じじゃない。
例え堀北が出ていてもそーゆうのは関係ないんだろう・・・っていうかもう若人は観ちゃったってことかな。
それにしても平日の映画館は、実はお年寄りの社交場でありシネコンももうちょっとその辺の対策を考えたほうが儲かるんじゃないかな。お年寄りのサービスは金額じゃなくて設備とかそーゆうのも考えなくちゃね。
と映画館マーケティングしてる場合ではないんだけど。

では本題。
こっから先ネタばれを含み進行するので(もういいと思うけど)見たくない人は飛ばしちゃってね。




先日原作を読んだばかりなのでその内容は鮮明に頭の中にある。
そんな中で映画も観ようとなるとどうしても原作と比べがちになる。

原作を超える映画にはなかなか出会えない。多分原作を超えるという観念で観てはいけないのだと思う。
最近観た中で「告白」は映画が原作を超えたかも?と思ったけど、映像化すると監督自身の主観が入り、原作読者の想像をどうしても逸脱してしまう。それは当たり前だけど、映画化するにあたりストーリーの変化をも楽しむのが本来の姿ではないか。
と、回りくどい言い回しだけど、原作と違う!とかそういうレビューが多すぎることにちょっと腹がたってたものでつい持論を展開するに至ってしまった。
つまりは今回の白夜行も若干ストーリーに変更がある。
失敗かといえばワタシは成功だと思うのだ。だって面白いから。
原作は明らか長い。誰が考えてもまるまる映画化は無理に決まってる。3部作くらいならいけるかも知れないし、年末12時間ドラマとかなら出来ると思う。
つまりどっかで切ってつなげなくちゃ完成しない。
正直、映画が始まってから中盤過ぎるまでだいぶ駆け足だなーと思っていた。極端な意見で言えば駄作でも仕方ないとさえ思ってしまった。
ところが、終盤に向けて原作とは少し違う変化球な展開を見せたのだ。原作にはない雪穂と亮司の接点が分ってくるのである。
お互いの連絡方法がアマチュア無線とぬいぐるみというファクターを通じて明らかになるトリックは監督が考えたのだろうか?賛否両論あろうがワタシには面白い展開とみえた。また、原作にない雪穂と亮司の人間味が垣間見れる瞬間もある。これも原作にはなかったことだ。
原作にもある忌まわしい美佳の事件(映画では義理の妹)の夜、雪穂が美佳を抱きしめてというシーン・・・実は原作でワタシは雪穂を信じてなかった。これも罠ではないかと疑っていたのだ。映画では雪穂を演じる堀北真希さんのセリフ(原作では違うシーンで言っていたが)
「私の今までの人生はずっと夜だった。だけど私には太陽に代わるものがあった。たとえ薄明かりだとしても、私にはそれで十分だった。昼とはいえない明るさでも・・・」
に人間味を少し感じられたのだった。
結末での亮司(高良健吾)がみせる笑顔も雰囲気があった。
笹垣警部(船越栄一郎)の屋上での人情的シーンは少し誇大してて「そりゃないだろう」って感じは止む終えないか(笑)

ラスト、亮司の遺体を抱き上げ、その傍らから呼びかける笹垣の「この人を知ってますか?」の質問に答える雪穂の「知りません」と言ったあとの表情から店に戻るまでの表情の移り変わりは絶品であろう。顔面蒼白から少しだけ口角を上げる仕草までゾクゾクした。心の中で演出的に「ここで笑ってくれ」っと思うワタシの気持ちが通じたかのようだ。
原作を超えたとは言わない。原作とは違った意味でとてもよい仕上がりだと思う。そう、比べてはいけないのだ。

海外映画祭では絶賛された堀北さん。日本では評価が分かれたようで、それは妖艶という部分であると思う。確かに女性的体のラインというとちょっと骨っぽく(すいません)男を魅了するほどのプロポーションではない。男顔だし、原作の雪穂には劣ってしまうだろう。ただそれ以上に瞳の演技力は圧倒的で、もともと眼力のある人ですがこの作品では際立っていると思う。瞳だけで、悲しさ嬉しさ、そして妖しい光を放つ妖艶さも見事に表現している。演技はきっとこの先もっと上手くなる。目の演技は天性のモノかもしれない。今後も期待したい。がんばれ堀北さん!←(けっこうファン)

逢うことも、触れ合うこともない。言葉すらかわさないその愛の灯火は、悲しみに揺らぐ。

幕引きもお好みどおり!良い映画で大満足である。
映画 白夜行 公式サイト
白夜行ポスター
2011.02.23 / Top↑