小説レビュー その他もろもろとか。

新宿鮫シリーズは結構有名で、ドラマ化されたこともありちょっと敬遠していたワタシ。

ただ何となくBOOKOFFで発見して何となく勢いで購入、想像とは少し違う「鮫」こと鮫島刑事の人間臭さが表現されていてつい引き込まれてしまった。

ハードボイルドなイメージの作家さんなので、登場人物も冷酷な感じを想像してたのですが以外とエロく(笑)全体の0.1%くらいですが男心を擽るエロ描写があったり、人間的弱さや人情的な部分も表現されていて、

「TVドラマになるってそういうことか」

などと一人で納得したりした。

このシリーズ、のちに直木賞を受賞する著者の大出世作となるんだけど、警察内部の描写、やくざや取り巻きに加え、夜の新宿など田舎者にとっては憧れのような怖いような魅力的な描写が散りばめられ、絶対無いだろうという出来事まで「あるんじゃないの?」と思わせる筆力。何故この作家さん冷遇時代が長かったんだろうと不思議にさえ思う。やっぱり魅力あるキャラクターの創出に勝るものなしって感じなのか。

今なお続くこのシリーズ、鮫島刑事の魅力は未だ枯渇せず新たな展開を見せている。
シリーズものは中々大変だけどやっぱり期待しちゃうな。
水戸黄門のような「お決まり」があればこそで、そこが最大の魅力だったりするのだから。

男臭い小説をお求めの方に是非お勧めしたい一品である。
新宿鮫 ■毒猿 ■屍蘭
新宿鮫毒猿屍蘭


2010.07.29 / Top↑
「新参者」はシリーズ8作目。「卒業」から始まり→「眠りの森」→「どちらかが彼女を殺した」→「悪意」・・とここ数日で読み繋いでいる。もはやワタシの勢いは誰にも止められない。

主人公として加賀恭一郎は完璧だなぁーと思う。完璧な人間と思わせながらこの加賀恭一郎、以外ともろい人間臭さを感じるところもありホッとさせられたりして・・・まんまと著者の罠から抜け出せないワタシ。
父親を頼ってみたり、犯人に心許してしまったり、勿論推理力は素晴らしく洞察力や記憶力など思わぬところに感心するけど、それが十数年続くロングセラーの主役として人気を保つ秘訣であり、東野作品の肝というべきところであるのは間違いない。

このシリーズには様々な仕掛けが施されている。
著者の実験的な取り組みもあると思うけど、

最初から犯人が分っていてその動機を推理する(悪意)

犯人を二人に絞り込んだけれどそのどちらかが犯人かはわからないまま(どちらかが彼女を殺した)


など・・・しかもこの「どちらかが彼女を殺した」は最後「袋とじ」がついていて解説で更に犯人像に迫っている(ここまで読めばほぼ犯人を断定できるが確定はしていない)

自分は袋とじは開けずに隙間からこっそり覗いて「あーやっぱりな」って感じですが(笑)なかなか楽しめた。

東野作品は無限にあるので本当迷う。
まー基本ハズレがないので安心して手が出せる作家さんだとワタシはお勧めだけど。
人気があるので躊躇する(ワタシみたいな)人がいると思うけど、まーそう言わずに読んでみるとハマると思われる。
片っ端から読破してしまったミカさんのお父さんもいるくらいですしね。
卒業 ■眠りの森 ■どちらかが彼女を殺した ■悪意
卒業 眠りの森 どちらかが彼女を殺した 悪意


2010.07.22 / Top↑
先日、我がテリトリーの「ステラタウン」というセブンアンドアイ系列のショッピングモールに

BOOKOFF

が進出!そりゃもう近くに古本屋ができたわけで嬉しくてOPEN初日に駆け込んで、その勢いでついつい買いあさったのだ。

青春ミステリーという得意分野で燦然と輝くこの作品。
上下巻で1000ページを超える中々な長編である。やっぱり途中でやめられず(笑)とうとう8時間を費やし読みきってしまったワタシ。
おかげで寝ても覚めても頭が戻ってこなくて少々困る事態にただフラフラした。

主人公、木村浅葱(あさぎ)というまぁ辻村作品にありがちな伏線のありそうな名前ですが、彼が主役の話で、浅葱といえば

囚人が着せられる着物の色・・・(江戸時代)

で有名な浅葱色をイメージしたりて、読み始めた最初から怪しいとは思っていましたがう~んやっぱり・・・
と内容はちゃんと本買って下さいね。

藍と浅葱 とθ(アイとシータ)

など次々と不可解なめぐり合わせをばら撒き後半一気に繋げてみせるあたりの加速感は毒ですねぇ・・・こりゃ眠れない(笑)
遊びとはいえない遊びで、引き返せない破滅の道を進む主人公。戻ろうにももう戻れない残酷な道に自らを委ね、終わりが近づくにつれジワジワ怖さが襲ってくる。

10代後半から20代の人は絶対ハマるんじゃないかな?

と少し褒めすぎか?
子どもたちは夜と遊ぶ㊤㊦
子どもたちは夜と遊ぶ㊤ 子どもたちは夜と遊ぶ㊦

2010.07.17 / Top↑