小説レビュー その他もろもろとか。

映画化で超有名になりましたが「西の魔女が死んだ」をようやく読む時間が出来た。
読んでみて感じたことは、

良い話です。

それ以外に言葉が無い。

よい話です。

何て言ったら良いんだろう・・・最近毒された話ばかり読んでいたため「よい話」では物足りないのかあんまり印象に残らない・・・。いや、よい話なんです、本当に。

おばあちゃんと暮らす大自然の中での日々が綴られ、おばあちゃんとの約束があり、そして些細なことからのおばあちゃんとの別れ。話は結末へ。
そーなんだ、普通に展開が読めるので安心して読める反面ワクワク感が少ない気もして・・。もう2年ぐらい前から読もう読もうとしていて今になってしまったこの

「期を逃した」

というのが最大の原因だと感じている。
やっぱり読もうと決めたその時に読むのが一番なんだな。

おばあちゃんの魔法は私の宝物です。

あぁやっぱり陳腐なキャッチしか考え付かないなー。普通すぎ、微妙すぎだけど思いつかない。脳がだめなんだ。

まーしょうがない。次の予定は「心霊探偵八雲 絆」が文庫化されたので早速TSUTAYAに直行だ。
西の魔女が死んだ
西の魔女が死んだ オフィシャルサイト
2009.10.29 / Top↑
観よう観ようと思いつつ月末になってしまった。
公開終盤ということもあってか自分も含めレイトショーの観客は2人・・・
まぁレイトショーなんてそんなものであろう。

まぁ見る人は見ちゃっただろうということでネタバレを含む感想をひとつ・・。

以前文庫を読んだ時に

「寺尾聡ピッタリ」

とコメントしましたが、まさに迫真の演技なのだ。
1時間50分ほどの映画で、原作そのままのストーリーでは無理があったのだろう。若干端折って役どころも微妙に入れ違いになってるけど、被害者遺族の思いは十分に表現されていると思う。

ただ原作ほどではないのも確かだ。キッパリ言っちゃうと原作の衝撃が大きすぎて映画は物足りないところもある。
R-12かR-15でいいからもっとドロドロした部分も取り上げて欲しかったな。

例えば主人公長峰(寺尾)が愛娘を恥辱された犯人を惨殺するシーンはさらっと流されるし、強姦撮影されたビデオを何故持ち歩いているかとか、それを敢えて何度も見ることで自分を狂気に追い込むところとかはカット、この犯罪でこの量刑が妥当という司法判断もハッキリ提示して欲しい。「極刑は望めないから」という肉声だけでは普通すぎる。一例でもよいので、薬物使用で強姦致死が未成年だとどうなるのかとかを、スクリーンに大写しにして映画を観たものにアピールすべきだと思う。そーゆう思いの映画ではないのか?

「警察は市民を守るのではなく司法、法律を守るために働いている」

と訴える刑事の、やる瀬無い気持ちは誰もが思うことで、この竹野内くんの演技は実にシビれる。訴えながらも決して取り乱さない熱い感じが本当最高!

伊藤四郎さんのベテラン刑事役も、

「伊藤家の食卓」

では見せない真面目な演技で、脇役としての存在感が重く貫禄を感じさせる。

原作を読んでから見た部分を差し引いて、★★★と半分・・3・5かな。ちょっと厳しい?
4にしたいところですが、ペンションのお父さんがわざとらしく猟銃を渡してしまうシーンが×、あれはないだろうってのが原点なのだ。
さまよう刃(ぴあ映画生活より)
2009.10.26 / Top↑
「新釈走れメロス」を買ったときにオマケでもう一冊、一緒に新刊台の横に面陳してあった「パレード」吉田修一さんの本も購入していたのだ。

2010年春に映画化という事だけど、初版は平成16年・・古本でよかったかなとも思っちゃいましたが古本屋じゃ見向きもしなかったと思うので、それはそれで良しとしよう。

読み始めは今流行りの「ルームシェア」の青春群像的な話かと錯覚したけど、なんと最後にぞっとする怖い内容だだとは思わなかった。ちゃんと解説読んどけばよかった。油断してたよ。

5章構成になっていて、同じ部屋に住む登場人物が1章ごとに主人公でストーリーを引っ張る展開。
その章ごとの視点で話は進行していく流れなんだけど、3章くらいで「おやっ?」と思いつつ4章まで流れに任せてワタシは読み続けていた。

親子でない、よせ集まった人が一緒に住むと言う事は、自分であって自分をさらけ出さないというか、一緒に住むための作られた自分を演じているとか、都会で生活する人の繋がりや柵、またそれに囚われたり自由だったりという、ある種田舎者のワタシには憧れであったり、皆一度はこういう「月9」みたいなドラマチックな生活をしてみたいなーとか思っちゃうんじゃないかな。そんな都会的なちょっと憧れる雰囲気を醸し出してるから騙される。

そう、読んでない人には全くわからない解説なんだけど、実はこの後に来る5章に入るとすーと怖くなるのである。
一転してという訳ではないんだけど、急に怖くなる。今までの流れが急に繋がってすべて怖くなってしまう仕掛けが巡っていたのである。

まー本の解説にも記されていましたが、5章から読み始めるのは問題外。
この本に限ってはやはり魅力が半減してしまうだろう。
読み終わったあとは何度も問題場面を読み返すことになるんじゃないかな・・・それは著者の仕掛けが成功した証であり、まんまとハマってしまったワタシも確認せずにはいられず、何度も読み直したのである。

都会の闇を取り上げた本作品、映画を観る人は原作を見ないほうが良いとワタシは思う。
映画の「出来」にもよりますが、ファーストインプレッションがとても大事な作品になること間違いなしだからだ。

吉田修一さんはその他も興味ある作品があるので、いつかビックヒットを飛ばすと確信している。
さて、ワタシの占いはあたるかな?
パレード
2009.10.22 / Top↑