小説レビュー その他もろもろとか。

今週の月曜から熱が38度くらいを行ったり来たり・・・自分も今流行の

「トンフル?」
(※トンフルとは豚インフルエンザの略称・バイトの高校生がそー言ってた)


かと思いきや、やっと休めた今日はまぁまぁ落ち着いたので、ついに辻村深月さんのデビュー作

「冷たい校舎の時は止まる」文庫㊤㊦巻計1200ページ弱

にチャレンジ!

トータル8時間を費やしどっぷりと辻村ワールドに浸かって、なかなか現実世界に帰ってくることが出来ない(よくあるよねーそんなこと)でまた熱が上がってきそうなフワフワした感覚にフラフラ(笑)

でもってこの話全体的には、ミステリー好きにもお勧めできるし、そーでない人でも登場人物のキャラが実によく描かれているので面白いんじゃないかなーと。

巷では、作中のヒロインと著者の名前が同じということで偏見がかなりあるよーですが、そんなのあんまし気にする必要ないのでわ?だって本文とは全然関係ないことなんだからって思う。

で、話としては、

自殺した同級生の名前が思い出せない

というヒントに、8人の仲間が次々校舎内に取り込まれていくSF的な入り口。
閉じ込められた校舎内、チャイムが鳴るたびに1人ずつ消えていなくなる展開にドキドキする。
回想部分と現実部分の行き来が連続する構成なので、ごっちゃになるかと思いきやけっこうスイスイ読めたりして、「誰?」「で、誰なの?」というワクワク感に押されつつも、作者の意図する仕掛けに注意して・・・でもわかんないよね~、やるよね~と(笑)

下巻途中には設問ページまで用意されてたりして、張り詰めていた自分の気持ちに一呼吸入り、その後解答ページへの意欲が俄然湧き一気に読みきってしまった。

ミステリーであり、ホラーやサスペンス的な内容もかじり、尚且つ「自殺」や「いじめ」というデリケートな問題に取り組んでいる内容で、誰にでもある「心の闇」を浮き彫りにしながら現代の若者にメッセージを発信している風にも読み取れる。

これがデビュー作であるにもかかわらず、第31回メフェイスト賞を受賞というお墨付き、ストーリーテラーとしても文章で描く力量にしてもすっごい実力を秘めている・・・いや出している?
本当、今後が楽しみな作家さんに出会った満足感がいっぱいなのは明らかなのである。


真実に気付いた心を、チャイムはひとつづつ消していく。(㊤巻)

許すことができるのは、解き放たれる大人への入り口。(㊦巻)

ちょっとあっさりしたキャッチでしょうか?小説がやたら長い話なのでこっちはシンプルにね。
冷たい校舎の時は止まる㊤
冷たい校舎の時は止まる㊦
2009.05.21 / Top↑
辻村深月さんである。

この小説は文庫500ページはあって4時間ほど・・・
実はこのほかにも辻村さんの本があるんだけど、そっちは500ページ×2という、上下巻で推定8時間かかるかと思うと、だいぶガッツいる感じで読み始めるまでには勇気がいる。

何せ読み始めたら終わりまでどーしても完読したいタイプなので、ついついこの人は後回しになることが多いんだけど、「ぼくのメジャースプーン」は、先日(といっても1ヶ月は経ちますが)文庫化されたばかりで、

「待ってました感」

でいっぱい(笑)またどっぷりと辻村ワールドに引き込まれよーと両手にお菓子で準備万端、いざ出陣なのだ!

主人公は小学生。ある「力」を使って愉快犯と直接対決するまでの数日間、心の葛藤を含めた人間の尊厳、本性、その他様々な思いが凝縮された、何度も泣きそうになる話である。
近いうちに裁判員制度が始まるけれど、「人を裁く」という行為に対して何か繋がる内容でもあり、考えようによってはかなり深いと感じさせる。
「復讐」とその連鎖性、その向こう側にある虚無感など、憤りをぶつける先がぐるぐる巡り、最後の直接対決における「方法」を読者のみんなが真剣に考えるように仕掛けがされている。

主人公が10歳という設定・・・後から思えば無理やりだなーと思うけど、話にのめり込んじゃったら関係なく、主人公の心に自分の心がリンク、気持ちが揺さぶられ、「泣く」のではなく「泣きそうになる」という感覚に
何度も襲われるまさに辻村ワールドの真骨頂で、ワタシってなんて素直な読者なんだろーと、少し恥ずかしくもなる。

辻村さんの小説は漫画化もされてますので小説が取っ付き難い

「500ページなんて無理だよ!」

って人は漫画でどうぞ。

ぼくがやらなければ、だれがやるっていうんだ。

こんなキャッチはどーかな?
純粋な気持ちは時にすごく怖い瞬間でもある。
ぼくのメジャースプーン
2009.05.14 / Top↑
本日は「戦士の休息」である。

GW期間中、連休が一旦切れて最終日の母の日までの

一瞬の空白期間(=戦士の休息)

をそう呼ぶことにしているのであって、毎年恒例の従業員に向けてのコメントなのである。
まーあまり深い意味はなく、ちょっと一息入る感じをわかってもらえれば・・。

不況不況と騒がれる中、多くのお客様に支持される我が店舗は、なんと昨年以上の売上げを計上、最後の母の日に向けて爆進中であり、一休みしている場合ではないのですが、29日から毎日15時間労働休み無しを繰り返す身としては気分転換も必要なわけでどーかお許しを。

というわけで、本日はだらだらと「食堂かたつむり」を読むことにしたのである。

前々から気になってたんだけど、文中にある料理描写がすばらしく・・・っていうかマニアックで、
料理人なら一度は憧れる(まぁ無理だけど)そーゆうシーンがけっこう出てくる。
小説の内容も味わい深く、淡々と進行する中にもちょっと仕掛けがあったりして楽しませてくれる。

いやーデビュー作にして、次作もちょー期待させてくれる作家さんだなぁ(もう発売されましたかねぇ?)

今回はハードカバー(文庫ではなく大きいやつね)なので手軽にというわけにはいかないけど、興味が湧いた方はAmazonでチェックして下さいね。中古で出てるかも。
食堂かたつむり
2009.05.07 / Top↑